震災から丸2年、被災地で避難生活を余儀なくされている方は、<中折れ>と言われる、頑張る気持ちが続かない過酷な状態に陥っているとお聞きします。とにかく、帰る家の事も、これからの仕事の事も、ふるさとの事も、何も考えたくないと、気力がないと。頑張るのも、頑張っている振りをするのも、もう疲れたと。家庭崩壊の危機や、無気力や、経済的な不安や、体調不良などのストレスとギリギリで戦っている方もまだまだ数多くいらっしゃる。ちょうど震災があった同じ3月に会社が倒産し、この先自力で生きていけるんだろうかと猛烈な不安に襲われた時期があったので今もたまに不安に負けそうになるからどうしても人ごととは思えず、どんなに気力を維持するのが大変なことか少しだけわかる。わたしは幸運にもともだちに恵まれ、仕事ももらえてなんとか今は生きている。
でも仕事もまだ見つからず、落ち着ける家さえなく、家族と離ればなれで放射能の恐怖と経済的な不安を抱えながら長いスパンで立て直しを考えろと言われても、それは死ねと言われていると同じように聞こえるんじゃないか、見捨てられたと感じるんじゃないか。保証金もらったところで生きる希望がなけりゃそりゃパチンコ浸けの酒浸りになるさ。仲間同士で憎しみあって。そのうち心ある人たちの応援も心に届かなくなるんじゃないか。
想像しただけでも気が滅入る。
原発はまだ大量の汚染物質をまき散らしてるのに、もう再稼働したくてしたくてウズウズしてる連中がうようよいる。そういう連中がいなくなればいいのだと思ってたら、、、違った。
たかだかリーマンショック前ぐらいのしょぼい儲けでもうニタニタ。
利権なんかに関係ない人たちもうようよいた。
その傲慢さに、その愛情のなさに、そのご都合主義に、その誤摩化しに、その貧弱さに、その無気力に、その夢のなさに、その品性の貧しさに、その怠惰に、その自分の騙し方に、人間のダメさみたいなもんに。
自分のダメさ。
もう希望なんて言葉をぶん投げたくなる。あぁ気力を!
お金を今本当に必要としている人には届かず、希望を必要としている人に世間は冷たい。
こんな国でサバイバルしていかねばならないのだ。
今こそドンキホーテがいて欲しい。
もっと原始的で開放的なエモーショナルな何かそしてユーモアを!
何回もアースダイバーを引こう!
ぼくたちの世界は、ほんとうの美にふれたことなどがあるだろうか。
めまぐるしく変化しているようで、
じつは同じ原理の反復で出来ている世界を生きながら、
ぼくたちはまだほんものの怪物をみたことがない。
崖下を探しだそう。そこで美しい金魚と出会うために。
~「アースダイバー」中沢新一